摺房 想恩畫斎

鳴海伸一版画制作工房の日々

Memento Mori / メメント・モリ

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残念な事にすっかり新型の感染症が蔓延してしまったこの無念な今日。
「朝に紅顔ありて夕べに白骨となる」ことを胸に抱き、
ここ過疎ブログに少しばかりの想いを記し残してみました。
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私事、同居していた祖母の看取りを期に誰もが必ず訪れる、去り際を知りました。

そして「一生」はやはり一度きりの生涯と身をもって教えてくれた気がします。

それ以降、生かされている間の、出会いや想いに素直でありたいと思っています。

 

もし、この星を去らねばならなくなった時に、どんな想いを抱いて旅立つことが

出来るか。それはその時にしかわからない事でしょう。しかし今、強く明日の命の

有無を考えると「感謝」しかありません。

 

僕のデビューは自分の画力や実力のみで開花した華々しいものではなく、本当に多くの方々に応援、支えられながらコツコツと地道に切り拓くことができた道です。

 

「朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」といふ言葉があります。

おかげさまでこの作家業を続けさせて頂いておりますが、それなりに覚悟して作家業をはじめました。が、しかし残念ながらこの不意な時世を迎えてしまい、臆病になってしまいます。正直に白骨となる事に恐怖を感じざるをえません。

明けを迎えられる有難さをつくづく感じる思いです。

 

やはり「いま」という1日いちにちを大切に生き、これまで頂戴した沢山の御恩をいつも想いながら、どんな形になるかわかりませんが、御恩を返すべく未来へつなげてゆきたいと思います。

 

メメント・モリ 

私にとってはいつも感謝と御恩を忘れえぬための大切な羅針盤のひとつです。

 

出会いとご縁を頂いた皆様に深く御礼申し上げます。

※詳細は自著『都市彷徨』(発行:想恩畫斎/現私家版/2018年)に掲載