摺房 想恩畫斎

鳴海伸一版画制作工房の日々

師匠という存在

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師匠の手元

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残念な事にすっかり新型感染症が蔓延してしまったこの無念な今日。

「朝に紅顔ありて夕べに白骨となる」ことを胸に抱きせしめんと、

我今ここに少しばかりの想いを記し残したく候。

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どんな人生、どんな業種、どんな芸域にも尊敬できる存在って、きっと思った以上に近くに居ると思うんです。

自分の場合は高校時代、いまで云うところの大学のオープンキャンパスつまり昔は「学校見学会」とか「学校説明会」という名称だったのですが、そこで出会ったのが、いまの師匠となった方です。

バウハウス理念のように建築を美術としてとらえ、「版画」と「建築」を背中合わせに考え実践している先生がいる。その作品を一目みて、自分もこんな人になりたいと思い、両親に熱願しなんとかその大学に進学させてもらいました。つまり大学や学科、コースなんでどうでもよく、憧れの人に近づきたい、教えを乞いたい想いで、その先生を目的に入学しました。

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頭が悪くて勉強もできない、テストがあればいつも証紙を買っては再試験。
仕事も遅くて、ぼっ~としていたけれど、やりたい事は明確だった自分に色々な”可能性という引き出し”や、枯れた雑草に水を与えるがごとく沢山の”気づき”を与えてくれました。

学生時代、その先生としての指導は偉そうに語る訳でもない、圧をかける訳でもない、怒り散らす事もない、上からの決めつけた教えを叩き込むことなく、ニコニコと壁を作らず常に我々学生に寄り添い、同じ目線で一緒に悩み、考え、教えてくれました。

卒業し社会に出て、すぐにつまづいてしまった自分を救ってくれたのも師匠の対等な目線とひとこと一言でした。何度、救われたかわかりません。時には課題や疑問を投げかけられ、アドバイスもくれました。
人生においても経験してきた苦労や涙も分かち合える人生の先輩が居るって事はとても幸せだと思うのです。

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何かと生きづらい世相になってしまいましたが、あなたの近くの先生、上司そして家族など、心を開いて共に話し合う事のできる、尊敬できる憧れの存在を探してみてはいかがでしょうか?

そして、自分が先に旅立ったとしても、永遠に越える事はできない師匠は師匠です!内藤克人師匠!

写真(上)大学時代のゼミ。建築レンダリング
写真(下)師弟展。

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