摺房 想恩畫斎

鳴海伸一版画制作工房の日々

恩師・恩人の方々に感謝

_________________________________

残念な事にすっかり新型の感染症が蔓延してしまったこの無念な今日。
「朝に紅顔ありて夕べに白骨となる」ことを胸に抱き、
ここ過疎ブログに少しばかりの想いを記し残してみました。
_________________________________

 

おかげさまで気がつけば40歳半ばを迎え、泣いたり笑わせて頂いたりと、様々な経験を積ませて頂いております。そして現在、作家をさせて頂きながらも、僭越な事に学びの現場にも立たせて頂いております。

 

私は学歴はもちろん、教育学など学んだ事はなく、誇れるものはそうありません。

しかし、教育学テキストや教育実習などからでは決して学べない、恩師の存在と受けた影響は大きく、今も実際にどこか恩師達の影響が出ているようです。

 

自分は「教える」といった方針ではなく、「伝える」、「共に学ぶ」姿勢でいるのはそんな恩師たちを手本にさせて頂いているからです。もちろん自分が学生だった20数年前とは学びの現場も大きく様変わりしておりますが、時代の流れにしたがってしなやかに自分も変化しつつありたいと思っています。

 

私は作家であり、教育者でも先生作家でもありません。人生の経験は老若男女、遅かれ早かれ関係ない訳であり、学生さんとはお互い人として対等な立場で共に学び、喜び、楽しみ、悲しんでいます。先に生まれたものとして自分が後悔、失敗、喜びなど学び体験し得てきたことを少しでも次世代に伝え残し、共に考えていきたいと常日頃思っています。

 

私事、小学校時代はアレルギー体質で登校しても帰宅させらりたり、軟弱でした。田舎で好きなだけ絵を描かせてもらったり遊ばせもらいました。転校などで不安を抱える中、先生方には随分と支えていただきました。

 

ー小学校では小笠原先生、加藤先生、沢田研二先生(なんとあの大スターと同姓同名)、秋田先生ありがとうございました。極度のアレルギーで何かと保健室通いや帰宅を余儀なくなっていた頃ですが、親身になってくださった想い出が回想されます。絵画コンクールなどにも参加させていただいたり、のびのびと工作させてくれたりと創造する喜びを与えてくださり、土台を作っていただいたのもこの頃からでした。

 

ー中学時代は転校などもあり、なにかと波乱万丈でしたが友人にも随分と支えて頂きました。生涯をかけて学べる趣味を見つけれたのもこの時期でした。とにかく下手な絵を褒めてくれ、可能性の引き伸ばしを親身に考えてくれた美術教員の坂本先生。マジックを教えてくださり、今も何かと見届けてくれているMr.モリックこと森井先生。学級新聞の「羅針盤」は今も心に刻んでいます。そして中学ー高校とマジックの実践を学ばせて頂いた沢村芳陳先生。

 

ー工業高校時代では何かとそばで寄り添ってくれた担任の笹野先生。建築学科では、算数が大の苦手で進級すら危ぶまれた僕に手を差し伸べ、「建築」を工学ではなく「美術」として導いてくださり、今の基礎を築いてくださった伊藤先生。

 

 ー大学では現在の活動の柱を建てて頂いた、建築学科の佐藤勝泰教授、佐々木哲之教授そして師匠の内藤克人教授には人生の半分以上といっていいほのど手本となっています。その手元と背中は本当に憧れの人間像です。

 

設計事務所、画材商、自動車販売営業など社会に出てからも、きちんと勤めあげることも出来ず、迷惑ばかりかけておりましたが、各企業の様々な上司からは、勤める意味、生きる意味、さまざまな人間社会、競争社会の中で良いこと、悪いこと沢山学ばせていただきました。

 

版画制作活動の中では実に多くの先輩作家さん、販売店さん、画商さん、バイヤーさん達には今もお世話になっております。そして学生さん達からも多くを学ばせてもらってます。

制作の世界は年齢を超えた横のつながりがりがあり、歳が倍以上も離れた人生の大先輩作家。いや、友人とも云えるお付き合いをしてくれている岩崎弘道先生、三島英嗣先生。他の世界では味わえない良い関係があるものなのです。昔のお話を聞かせてくれたり、叱咤激励を頂戴したり弱音を聞いてくれたり。

 作家業も結構な経験を重ねていますが、画業半ばに改心させて頂いた金沢湯涌創作の森版画工房の岩瀬貴憲先生。様々な版画の基本を教えてくださった坂東先生、加藤先生、伊藤先生。同じ平面作品である写真の楽しさをご教授頂いた写真家の浅野久男先生、日本画家でオーナーの法邑美智子先生には苦労時代随分と救って頂きました。他にもたくさん支えてくださった恩師・恩人が沢山います。

 

お仕事ではビジネスを越えて心から憧れる経営者の方々にも本当に支えていただき感謝もうしあげます。野口先生、小泉先生、増澤先生、日野先生、中山先生、圓山先生など本当にありがとうございます。

 

今、この時世になって、気づくことや回想する事が沢山あります。恩師の方々、こんな小生を見捨てずに見守り育てていただき本当にありがとうございました。私は屋号にもあるように「恩」という文字が大好きです。いつかこの御恩を返す意味で後世につなげてゆければと思っています。本当にありがとうございました。

 

出会いとご縁を頂いた皆様に深く御礼申し上げます。

※詳細は自著『都市彷徨』(発行:想恩畫斎/現私家版/2018年)に掲載